表記について

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3

地を白銀の稲妻が駆け抜けた。
「僭越ながら…、助太刀致す!」
鋭い突きを繰り出しながらするりと懐に滑り込む、見事な腕前を持つ剣士。
そのひとはこれまでずっと、ルインさんとの相棒として…二人一組で活躍してきた、強くも美しい女性。
彼女の居るところ、ルインさんが後方を守り。
ルインさんの居るところ、彼女が前衛を務める。

ーーやっぱり、イージスさんも…!
かつて共に戦ってくれた彼女達に、またこうして会えた……。
じんと胸が熱くなる。

再び立ち上がろうとしたサイクロプスの手元で、イージスさんが剣を素早く、そして軽快に振る。
サイクロプスはたまらず棍棒を取り落とし、呻き声を挙げた。
また動けなくなった、ただそびえ立つだけのその巨体の足元を。
ゴブリン達を全て倒しきり、駆けつけたアツシさんの剣が薙ぐ。
その後更に追い打ちを掛ける、二人の剣士達の度重なる連撃にーー。
為す術もなくサイクロプスはその身を削られ、やがて程なく地に伏した。

魔物が全て倒れ伏し、空間が嘘のように静まり返る。
魔物が出ることも無ければ、此処はとても寂しく昏いーーまるで廃墟の城のような迷宮。
まずは、乱戦を無事乗り越えられた事に。
ほっと小さく息を吐き、ゆっくりと杖を納める。
少し気力を消耗した感じはあるけれど…。
ーーまだ、大丈夫。
「セツナ…、怪我は?」
同じく剣を納めながら、アツシさんが駆け寄ってくる。
「大丈夫です」
心配をかけないよう、そっと微笑みを返した。

これも、ふたりの加勢があったからこそ…。
そう思いながら、恩人である二人の姿を求める。
「ーー覚者様、お久しぶりです。そして…お見事でしたわ」
鈴の音が流れるような声で、ルインさんが挨拶と労いの言葉を掛けてくれる。
「……ふん。ただただ無粋な連中だったな」
「あら、それを言うなら…。私たちもそうではなくて?」
やれやれと云った体で言い放つイージスさんに、ルインさんがやはり鈴を転がすように笑いながら返す。
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