表記について

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8

二人の背中に続き、私達もなるべく魔物を迂回し、必死に段差を上がり進む。
魔法を使う敵の居る場所…螺旋状に壁に据え付けられた通路は幅が狭い。
足を踏み外さずに進むだけでも、細心の注意が必要だった。
その足場の悪く魔法の飛来する不利な中を、二人の剣士は恐れもせずに駆けてゆく。
見ている私の方が、段々と耐えられなくなり…。
拳を握り、ぐっと唇を噛む。

「……覚者様」
ルインさんの声も少しトーンが落ちている。
「私やイージスもそうですが…」
ルインさんが、目を合わせながら振り向く。
「我々はあなた様の強い信念の下、いかなる場でもどのような相手にでも……立ち向かって往くのです」
彼女の表情は、とても真剣なものだった。
「…でも… 」
つい俯く私の肩に、ルインさんの温かな手が置かれた。
「大丈夫です、彼には…。今となっては、大切なものを守りたいと強く願う心が在りますもの」
優しく微笑むルインさんの肩越しの先、勢いよく剣を振るうアツシさんの背中が見えた。

「いかに歴戦を潜り抜けた、戦績を積んだ戦徒でも…」
ルインさんは私を見たまま、視線を動かさずに続ける。
「その場その場で、不利な状況においての苦戦を強いられる事はあります。それでも…」
魔法を使う敵ーー杖を携えた人骨の魔物を次々と発見し、粉砕してゆく二人。
時に魔法を受け、足止めを喰らいながらも。
ーーまた体勢を立て直し、奮い立ち向かってゆく。

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「覚者様の信念が…、強いお心が在る限り、それが私達の心の糧となります。簡単に屈する事はありません」
そこまで言ってルインさんが、私の目線の先へと向き直る。

「……さあ、覚者様。私達も」
そのまましっかりとした口調で促す彼女に、はい、と短く肯き答えた。
危険に身を投じて道を切り開いてくれた、アツシさんとイージスさんーー二人の思い。
そしてそれを、改めて確認させてくれるーールインさんの思い。
それら全てを受けて、今此処で立ち止まっていてはいけないと…、出来ることをしなければと、気持ちが奮い立つ。
"一緒に帰る"ーーそう決めたのだから。
私達の歩む道は、まだまだこれから…。

そうですよね…アツシさん。
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