表記について

・R指定表現のあるページには、(※R) を付けています。苦手な方は読み飛ばし下さいませ。
・最新の更新ページには、★をつけておきます。そして、画像を新に貼ったページには、☆をつけておきます。

5

更に扉を抜けた先の通路では、やはり魔物との連戦が待っていた。
なるだけ慎重に、足音も密かに角を曲がったつもりでも。
先の見通しの悪い狭い通路では、直ぐに魔物と鉢合わせになる。
そこで、迅速に迎え討てるよう、イージスさんとアツシさんが先立って歩いて進む。
私とルインさんはその後に続いた。
まず迎えた相手は、通路の影から這いずるように現れた、動く死体の魔物。
しかもその姿は、これまで見えてきたものより大きくーー焼け焦げたように煤けていた。
剣士二人が素早く斬りかかり、間髪入れず切り刻む。
私達もすかさず魔法で援護するも…。
大きさも増しているからか、なかなか怯まない。
いつもは一刀のもとに払う剣士達の腕でも、そう一筋縄にはいかないようだった。

そして更に進んだ先の角では、曲がるや否や人骨の魔物の群が一気に襲いかかってきた。
その中にはまたも、見たことのない大きさのものまで混じっていた。
ことごとく魔物が突然に現れ、見慣れない姿のものまで居るといった状況に。
通路の角を曲がり進むのが、より怖く思えてくる。
けれどもそんな中で二人の剣士が、魔物の進行を素早い攻撃である程度防いでくれる。
お陰で、私とルインさんもその間に何とか魔法を詠唱することが出来た。
聖なる加護を付与する魔法を、それぞれの手から飛ばし送る。
かなり体格の大きな人骨も、遂には二振りの剣の連撃に砕かれ散り失せた。

此処ではきっと、慎重さを欠けばたちまち命取りになってしまう…。
それが見慣れぬ相手のみならず、例え今まである程度戦い慣れてきた相手でも。
この迷宮の進みにくさが、致命的な落とし穴となる。
篝火や灯火の設けられた明るい通路でも、どこから魔物が出てくるか分からない。
緊迫感に、肩の力が抜けない。
つい、ふうと小さく溜息が漏れる。
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。