表記について

・R指定表現のあるページには、(※R) を付けています。苦手な方は読み飛ばし下さいませ。
・最新の更新ページには、★をつけておきます。そして、画像を新に貼ったページには、☆をつけておきます。
滑らかに、そして時に強く口の中で互いの舌が絡み合う、そして少しずつ荒くなる互いの吐息が絡み合う感触に。
「‥‥は‥‥‥‥っ」
時々、自分でも耳慣れない甘い声を漏らしてしまうのが、やっぱり恥ずかしくて。
頬がこれ以上に無い程に上気し、脈が上がることで継ぎきれない息が、喉を少しひくつかせる。
息苦しさが目の端に涙のような溜まりを作り、喉に流しきれない唾液が口の端から零れてしまうのが分かる。
「‥‥、だ‥め‥‥」
‥‥もう、これ以上。
今の私の顔を、もし見られたら。
‥‥恥ずかしくて堪らない‥‥。
思わず、掠れながらも必死に、制止を求める声を挙げてしまう。
ーーけれど。
「ーーっ‥‥」
更に口を大きく、口の端をも舐めるように‥‥齧り付くように。
啄ばむように唇を重ね、舌を吸い上げられて。
抵抗しようと思ってみた体の力が、一気に抜けた。
完全に、彼にされるがままーーそしてきっと私も、完全に快楽に負けている。
‥‥と、だらりと腕を下ろした私の体を支えるように抱きすくめながら。
彼の唇が離れーー首筋へと滑り落とされた。
「‥‥あ、‥‥、っ‥‥」
くすぐったい感触、そしてーーちくりと小さな痛み。
それをぐるっと首周りに這わせながら、彼の唇がすぐ耳元へと上がって来る。
「‥‥セツナ‥‥」
吐息交じりの熱い声で囁かれて、椅子に腰かけている脚からも‥‥がくんと力が抜けた。
更に上ずった声が思いがけず挙がってしまい、慌てて口元を覆う。
耳を啄ばまれる音、そして吐息が深く耳の中へ入って来る。
「——‥んんっ‥‥!」
必死に声を漏らさないよう努めるものの、ままならず‥‥顔を背けて逃れようとするけれど、却って深く舌をはぐまれる。
「可愛い‥‥」
「‥‥、やあ‥‥」
もうこれ以上は、此処に座っていられない‥‥。
ぐったりと力が抜けた体で身悶えするうちに、すっかり彼の懐に抱え込まれるように収まっていた私を。
一度唇を離してくれた彼だったけれど、今度はそのまま両腕で抱え上げた。
そして僅かな後、背中が何かに受けられ沈む柔らかな感覚。
ぎしりと音を立て、彼が目を合わせながら腕を立てて覆い被さる。
上から降る彼の熱を帯びた眼差しに、そしてきっと此処は寝台の上なのだと感じる背当ての柔らかさに。
一際どきりとして何も言えず、けれど特に抵抗する事も無く。
だらりと万歳をする姿勢で放り出した腕の、手の指にーー彼が自分の指を絡める。
かちり、と、微かに金属が擦れる音。
指輪ーーだ。
込める想いと共に交わした……。
「‥‥すみません、傷が――気になるところではありますが」
ーー傷、というのは‥‥腕に巻いた包帯の事だろうか。
一度そちらへ、ちらと動いた彼の視線が、また私の目線へと戻される。

そして、再度ゆっくりと顔が近付いてくる。
瞼が閉じられてゆくその顔に、つられて目を閉じれば‥‥。
今度はゆっくりと、そしてねっとりと絡みつくような口付けを落とされて。
‥‥それから。
「ーーっ‥‥!‥‥あぁ、っ‥」
彼の指が、服の上から体の線をやんわりと撫でて‥‥胸のあたりで留まり動く。
背筋をぞくりと走る感覚と、触られている部分から伝わる不思議な感触。
唇を重ねられたまま、そうされてーーまたも息が継げなくなる。
息苦しさに首を振れば、彼の唇がそこから離れて、今度はまた首筋へと滑る。
「‥‥あ、ああ‥‥」
どうしようもなく漏れてしまう甘い声を、聴かれるのが恥ずかしくて。
空いた手で慌てて、自分の口を塞ぐ。
けれどその手を振り解くように、離されたかと思うとーー服が少しずつ、捲られてゆく。
その間にも、胸に触れる彼の手は動きを止めず‥‥やがて直に肌に触れた。
びりびりと突き抜けるような刺激に、びくんと体が跳ねた。
その瞬間、更に熱い感触が胸元に。
気付けば、彼の頭がそこにあって‥‥被るだけの造りになっていたローブは、すっかり脱がされてしまっていた。
「ぁ‥‥アツ、シ‥‥さん‥‥!‥」
そこには、大きな傷ーー竜から受けた傷がーー。
……堪らなく、恥ずかしい。
何とか必死に、手で胸元を隠そうと伸ばす。
ところが、それは適うどころか‥‥手を握られ防がれてしまう。
そこから、こちらをちらりと見た彼と、一瞬目が合った。
「‥‥‥セツナ」
にやりと笑うような、とても官能的な微笑にどきりとする。
「ーー綺麗だ」
「ーーーや…」
その表情と熱く囁く言葉、続けられる行為に体の芯にじわりと熱を感じた時ーー。
たまにちくりと走る小さな痛みと共に、彼の頭がもっと先へと下がっていく感触に、遠くなりそうになる意識が引き戻る。
「‥‥え‥‥?」
彼の体が少しずつずれてゆき、向かう先は‥‥。
「‥‥セツナ。もっと‥‥」
「‥‥や‥‥‥!」
慌てて閉じようとした脚を、けれどあっさりと開かれ。
薄布を取り去らた脚の間の部分に、手を伸ばして止めようとするものの。
伸ばした手を…指を解すように握られながら。
余計に抵抗が難しくなってしまった状況に、泣き出してしまいたくなる。
何も考えられない程蕩ける意識の中、それでも彼の‥指が、そこに触れて来る。
「‥‥ぁ、ああ‥‥、や‥‥」
ーーうまく、声にならない。
次々と襲い来る快感に、頭の中が、おかしくなりそうで。
触れられている感覚もーーそこが蕩けてなくなっていくようにすら感じてしまう。
「や、あ、ああぁ…!」
視界が真っ白く爆ぜ、体がびくびくと震え全身の力が抜けた。

「ーーセツナ」
一度身を起こし服を脱ぎ、覆い被さって来る彼の熱い眼差しと。
脚の間に、何か別のものが宛がわれる感触に。
「‥‥愛してる‥」
その言葉と共に、体の中に異物が入って来る感覚に。
「‥‥‥あ、っつ‥‥!!」
狭い部分に推し入ってくるものが、少し進んだところで。
内側から身を裂かれるような鋭い痛みを感じ、自然と涙が滲み、急速に脂汗が浮く。
ーー私は、彼と‥‥ひとつになろうとしてるんだ‥‥。
‥‥それはきっと、嫌ではない。‥でも‥‥。
どうしても耐えきれない痛みに、息も荒くなりーー漏れる呻きと共に涙が零れ落ちてしまう。
「‥‥すまない‥‥、無理なら」
「——う、ううん‥‥、大‥丈夫‥」
戸惑いの表情を浮かべ、先へ進ませようとする動きを止めた彼に。
言葉が切れ切れになりながらも、小さく首を振って答えた。
そっと、縋り付くように‥‥そして黙って促すように、彼の背中へと腕を回した。
‥‥素肌がぴたりと合わさり、互いに汗を浮かせた体が、ひやりと感じる心地よさを伝えて来る。
その中で、挿入を続ける彼とーー自然と唇を重ね、強く抱き合う。
「‥‥ん、‥‥!」
痛みに耐えるために、少し強く背中に爪を立ててしまったかも知れない。
けれど、素肌と唇を重ねる快楽を愉しむうちに、私達はーーいつの間にか、晴れてひとつに繋がれていた。
その事に気が付いたのは、薄れゆく痛みの先に、かつてない快感を感じ始めた時。
「———あ、ぁ‥‥、あ‥‥」
少しずつ動く彼の体に合わせて、私の中でぞくぞくと熱い感覚が走る。
「‥‥あ、、‥‥あああ‥‥!」
「‥…セツナ」
ーー繰り返し名を呼ばれるも、怒涛のように押し寄せる快楽の先に、彼の声が遠く感じ始めていて。
「‥‥アツシ‥‥さん、どこ?‥‥いや‥‥こわ…、」
「セツナ、私は此処に‥‥、あなたと共に‥」
闇の中で溺れるような感覚にもがく私の手の指を‥‥、此処に居るとーー彼の指が絡め取る。
そして、言葉の代わりに、強く深く重なる唇。
‥‥私たちは、身も心もーー今、全て繋がっている‥‥。

経つ時間と共に、繰り返される動きが徐々に強く速くなる。
体ががくがくと揺られ、苦しい程に息が上がる。
その激しさを表すように、ぎしぎしと、寝台が忙しく鳴る。
「ーーあ、アツシ‥さん、あ、ああぁあ‥‥!」
「‥‥セ、ツナ‥!ーーっ‥!」
ーーそして、熱い悦びの波に揺られるまま‥‥目の前の世界が先程よりもっと強く爆ぜてしまうような、比べようもない強烈な快感に襲われた。
勢いで背筋が仰け反り、全身が一瞬がくんと大きく痙攣した。
私もアツシさんも…互いに力無く、そしてそのままの体勢で暫くの間‥‥余韻に浸るように重なり続けた。

‥‥もう、何処へも行かないで‥‥。
私の全ては、ずっとあなたと共に。

やっと身も心も全て深く通じ合えた、けれど共にまだ感じる満ち足りなさを、追い求め埋めようとするようにーー。
更に夜空が白むまで、もう一度互いに揺れ求めた私達は。
やがて抱き合うような姿勢のまま、柔らかに伝わる肌の温もりの中で意識を堕とした。

その姿が見えない眠りの中でも‥‥きっと一緒に居られますようにーーそんな願いを込めるように。
20160215-023245.jpg
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。